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○○ママの好きなこと・大切なこと ヨガで「自分を取り戻す時間」がママと子どもを笑顔にする | 鈴木瞳さん

2025年6月3日 公開

LOG YOGA 主宰
鈴木瞳さん

札幌市南区で2人の子どもを育てながらヨガ教室「LOG YOGA」主宰として活動している鈴木ひとみさん。12歳の長女と11歳長男の年子育児、障がいを抱える長男の育児とケアで苦労した経験から、心身のバランスを整えるヨガの素晴らしさを伝える活動を行っています。「自分を大切にする時間」の大切さを伝え続ける鈴木さんに、これまでの経緯や子育て観についてお話を伺いました。

Contents

1.年子での育児と、長男のサポートに追われた日々
2.自分を取り戻した、ヨガとの出会い
3.教室を「自分を大切にする時間」にしたい
4.子育ては、新しい自分を教えてくれる

年子での育児と、長男のサポートに追われた日々

ーまずはご自身のこれまでについて教えてください
札幌出身で、長女を出産するまでは市内で保育士として12年間働いていました。産休育休を経て落ち着いたら仕事に復帰する予定だったんですが、約1年後に早産で生まれた長男が脳性麻痺という障がいを持ってしまったため、ヨガ講師になるまでは育児に専念してきました。
ー苦労されたんですね
長男は自分の力だけで起き上がることができず、ご飯、着替え、トイレやお風呂など日常の多くの場面でサポートが必要なスペシャルキッズです。特に幼い頃は常に目を離せない状況だったので、自分のことはとにかく後回しで、長男の命と将来のことだけを考えてきました。
ーそうだったんですね
一番辛かったのは、自分に目を向ける時間がないことです。ご飯を作って、子どもの面倒を見て、合間に家事や洗濯をして、夜はほとんど眠ることができず…その繰り返しの日々の中で、「自分って何なんだろう」と、自分を置き去りにしている感じがすごく辛かったです。

▲長男、長女と共にヨガのポーズをとる鈴木さん(ご提供写真)

「毎日が運動会」のような両立の日々。

▲鈴木さんが教室を開いている南区川沿のヨガ・ピラティススタジオ「MamiYoga」。南区川沿のビルの6階に位置し、窓からは藻岩山が一望できます。

ーそんな中でヨガを始めたきっかけは?
実は若い頃から趣味でヨガをやっていたんです。でも、育児に専念するようになってからは多忙な日々で離れてしまって…。そんな中、育児とリハビリのサポートなどで心身ともに疲れを感じるようになり、自分自身のケアの必要性を感じました。
そこで思い出したのがヨガでした。家でも簡単にできるので、子どもが寝た後の10分、15分だけでもやってみると、体も気持ちよくなるし、心も少し上向きになってきたんです。
ー自分の時間、大切ですよね
そうですね。こんな大変な経験をしているのは自分だけじゃない。そう気付いてからは、この魅力をたくさんの女性たちに伝えたいという思いが芽生えたんです。それで9年ほど前、長男が3歳の頃に母と妹に子どもの面倒を見てもらいながら、養成講座に通うことにしました。正直、何かをはじめるにはまだまだ大変な時期で、周囲からは「なんでこのタイミングで?」と言われました。今考えると、当たり前なんですけど、でも当時は「絶対にやらなきゃいけない」という強い思いに突き動かされたんですよね。
ー周りの人を頼れるようになったことも大きいのでしょうか?
母や妹やもちろん、デイサービスやガイドヘルパーなど、サポートしてくれる機関や制度があることを知って活用するようになってからは、少し気がラクになりましたね。振り返ってみても、小さい頃は先が見通せず、一番大変だったように思います。子育てって、先が見えなくて怖いんですよね。

教室を「自分を大切にする時間」にしたい

ー現在はどのような活動をされていますか?
主に二つのヨガクラスを開いています。一つは、私と同じようにスペシャルキッズのお母さんに向けたヨガクラスで、毎週木曜日に西野にある古民家でやっています。特徴的なのは、ヨガの後に必ず交流会の時間を設けていること。お茶を飲みながら「最近どう?」「学校はどう?」と話す時間を大切にしています。スペシャルキッズのお母さんだけに限定しているのは、自分と同じ悩みを持つ人同士が気兼ねなく話せる場が欲しかったから。ヨガだけでなく交流することで心のデトックスになると思っています。
ーこちら(南区川沿「MamiYoga」)でも教室を持っているそうですね
こちらでは月に2回ほど親子ヨガをやっています。子どもがいるとお母さん一人で外出するのは難しいし、自分だけリフレッシュすることに罪悪感を持つ方も多いと思います。特別なイベントでの親子ヨガはありますが、定期的にできる場所はなかなかないので、親子で通えるヨガ教室を作りたいと考えたんです。ここでは子どもが泣いてもぐずっても全然OK。私は元保育士なので、遊びや歌も交えながら、親子がふれ合い、お母さんもリフレッシュできて、子どもも楽しめる時間を目指しています。
ー小さいお子さん連れのママにとって貴重な場所ですね
これまでも「子ども連れで来られる場所がなかなかないから、すごくありがたい」という声や「育児で肩がゴリゴリだったのが、ヨガをしたらすごく気持ちよかった」「この場所に来るだけで気持ちが楽になる」と言ってもらえたりして、とても嬉しいです。子どもとはたくさん話すけれど、大人同士で話す機会って案外少ないので、ヨガだけでなく、大人同士の会話を楽しむ場所にもなれたらいいですね。
ーヨガを通じて一番伝えたいことは何ですか?
「自分を大切にすること」。ヨガをすると気持ちがすっきりして、子育てでざわざわしたりイライラしていた心が静かになります。育児で見失っていた自分を「私ってこんな人だった」と思い出したり、将来のことを冷静に考えたりと、自分自身と向き合える時間になるんです。実際、スペシャルキッズのママ向け教室で、ある方から「ひとみさんのヨガはただ体が気持ちいいだけじゃなくて、心がすごく癒される」と言ってもらえたことがすごく嬉しかったです。私がヨガで一番伝えたいところだったので、きちんと伝わっているんだと思えた瞬間です。

▲藻岩地区センターで開催した親子ヨガの様子(ご提供写真)

子育ては、新しい自分を教えてくれる

ー今は、どんなことを楽しんでいますか?
生活の中で、常に自分をご機嫌でいさせること。と言っても、好きな音楽をアレクサでかけたり、家に好きなものを置いたりとほんの些細なことです。本当は登山やキャンプ、スノーボードなど色々やりたいことがあるんですけど、それはもう少し手が空いてからの楽しみ。実は元々、アウトドア派なんです。
ー大変なことは多いかと思いますが、子育てで一番楽しいと感じる瞬間はどんな時ですか?
子どもたちが学校や施設から帰ってきて話を聞く瞬間ですね。それぞれが離れて過ごした一日の話を聞くのは、まるで「お土産話」みたい。友達や先生とのエピソードを聞いて、「ちゃんと周りを見ているんだな」とか「こういうことができるようになったんだ」と成長を感じられます。
ー読者のママたちへメッセージをお願いします
お母さんって本当にすごいと思うんです。子育てして、家事して、仕事もして…、マルチタスクの達人です。でもそんな中でも、自分が食べたいものを食べたり、気分が上がる服を着たり、好きな音楽を聴いたり、とにかく自分を一番大事に、喜ばせてあげて欲しいです。そうすると不思議と人にも喜びを与えられるようになります。自分が楽しいと子どもにも伝わりますし、家族も円満になる。まずは自分を大切にする所から、楽しい人生への輪を広げていってほしいです。
ー没頭していると、なかなか気づけない価値ですよね
私も育児に追われていた時期には全然気づけなくて。こうして活動する中で、夢を実現している女性は自分を大切にしている人が多いことに気づいたんです。子どもたちの育児は大変なことも多いですが、こうした大きな気付きや新しい世界を教えてくれます。今大変な思いをしているママたちも、少し先には必ず楽しさや喜びを感じられる日が来る。どうか、そのことを知っていてほしいなと思います。
ーありがとうございました!

LOG YOGA 主宰
鈴木瞳さん

鈴木瞳さんInstagram:@log.yoga
南区川沿「MamiYoga」Webサイト:https://reserva.be/mamiyoga11