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○○ママの好きなこと・大切なこと 結成のきっかけは夜泣き!?ママも子も笑顔に変える「にじいろ音楽隊」|田初円さん

2025年6月13日 公開

ママと子どものにじいろ音楽隊
代表 田初円さん

「ママと子どものにじいろ音楽隊」代表の田初円(たはつ・まどか)さんは、10歳・5歳・2歳と3人の男児を育てながら、音楽を通じて親子の笑顔を広げる活動を続けています。子育ての大変さを経験したからこそ見つけた音楽の力と、子どもたちと一緒に成長する音楽隊の魅力、そして育児をする上での心構えについて語っていただきました。

Contents

1.家族みんなで楽しめる「0歳からのコンサート」
2.夜泣きと寝不足の日々から生まれた音楽活動
3.「自分たちが楽しむこと」がいちばん大切
4.ママも子どもも個性を大切に

家族みんなで楽しめる「0歳からのコンサート」

ー「にじいろ音楽隊」について教えて下さい
札幌で活動してるママ・パパと、その子どもたちで結成したバンドです。楽器演奏や歌、手づくりのパフォーマンスで、0歳から家族みんなで楽しめるコンサートを開催しています。メンバーは現在大人7人と、それぞれのメンバーの子ども10人、合わせて17人ほど。今は年に1、2回の自主コンサートと、幼稚園やイベントからの依頼で月1、2回くらいのペースで活動してます。
ー子どもたちはどんな風に参加してるんですか?
踊りたい子は踊る、歌いたい子は歌う、楽器をやりたい子は楽器を…それから、表に出たくない子は裏方で絵を描いたり、紙芝居のページをめくったり…。その時の気分や状況に合わせて、本当に自由に参加してもらってます。うちの3人の子どもたちも全員参加してますよ。2歳の末っ子なんて、ちょろちょろしてるだけですけどね(笑)。
ーそれもアリなんですね(笑)
普通のコンサートだと演奏中は「静かにしなきゃ」って思う方が多いでしょうけど、にじいろではケガさえしなければ良いという方針です。「0歳から楽しめるコンサート」なので、出演者側の子どもを見て、パパママが「あ、いいんだ」って安心してもらえたら…そうPRする意味で、末っ子は役立ってると思います(笑)

▲手づくりのペープサート(紙人形劇)も音楽隊の特徴。コンサートを見た後に家でつくるという来場者もいるそうで「親子で同じ時間を共有するきっかけになってるのが嬉しい」と田初さん(ご提供写真)

夜泣きと寝不足の日々から生まれた音楽活動

▲ご長男が幼いころのコンサート(ご提供写真)

ー3人の育児、大変ですよね
はい、男子3人なのでこの通り毎日部屋がめちゃめちゃです(笑)。今も大変ですけど、長男の幼い頃が一番大変でしたね。おかげで2番目と3番目は体力的にも精神的にも強くなりました。
ー「にじいろ音楽隊」を始めたきっかけも、子育てが関係してるとか
長男の夜泣きがきっかけです。生まれた時から個性がとても強い子で、育児が本当に大変だったのに加えて、夜驚症(やきょうしょう)を持ってたんですよ。
ー夜驚症…大変そうですね
夜中に突如起き上がっては叫んで、その後で吐いたり倒れたりしちゃうんです。しかも本人は覚えていません。それが30分に一度、一晩中続いて…。だから2歳ぐらいで治まるまでは、1日2、3時間寝れたらいいほうでした。
ーそれは本当におつらい…どう乗り越えたんですか?
それこそが「歌」だったんです。元々保育士だったので、歌が身近でしたし、小さな頃から好きで。はじめは常に眠くて倒れそうだから、なんとか歌って気分を上げよう…って理由で歌い始めたんですけど、子どもと一緒に歌ってみると、私も子どもも自然と笑顔になれたんですよね。歌の力ってすごいなって、実感しました。
ーそれで音楽隊を結成されたんですか?
そうなんです。きっと私だけじゃなくて、他のお母さんたちも同じように困ってるんだろうなって思って。音楽を通して笑顔を広げる活動ができたらいいなって考えました。それで、周囲にも元保育士のママたちがいたので声をかけてみたら、あっという間に意気投合しちゃって。2017年5月に結成することになったんです。「にじいろ音楽隊」の名前には、「違いをみんなで認め合う」って意味と、「虹のようにさまざまな色を合わせて綺麗な形に」という願いを込めてます。

「自分たちが楽しむこと」がいちばん大切

ー音楽活動を通じて気づいたことはありますか?
最初はただお客さんに楽しんで欲しい一心でやってたんですけど、活動の回数を重ねるうちに、実は自分たちが一番楽しんでることに気づいたんですよ。自分たちが楽しんで演奏していると、自然とお客さんにも伝わる。子どももその事に気付いたみたいで、笑顔でステージにのぞんでくれます。
ーだからこそ、約10年と長く続けられるのかもしれませんね
コロナ禍では工作とかアート系に活動をシフトしてました。みんな育児中だからこそ、環境の変化も大きいんですけど、無理をせず、背伸びをせず、今できることを今いるメンバーたちで、とにかく楽しくやることを大切にしてます。
ーご長男も活動に参加されてるんですね
年中からドラムを始めて、10歳になった今ではとても上手になりました。ただ実は今は学校でのトラブルがきっかけで不登校になってしまって…家でも時々パニック症状を起こしてしまう時があるんです。でも、にじいろのステージだけは絶対に出てくれるんですよ。小さい子どもたちにドラムの楽しさをもっと伝えたいみたいで。音楽が彼の生きる力になってるんだなって感じてます。
ー音楽隊は特別な場所なんですね
子どもたちの中には長男と同じように学校に馴染めず、生きづらさを抱えてる子もいるんですけど、みんなで集まると全然そんな風には感じないんです。きっと、にじいろでは自然体でいられる居場所なんだと思います。私自身も、メンバーのみんなは血はつながってないけれど、家族のような存在だって思ってます。

▲主に札幌市内のさまざまな場所やイベントで演奏会を行っている(ご提供写真)

ママも子どもも個性を大切に

ー子育てが楽になることってありましたか?
3人いるので、楽も慣れることもないというのが正直なところですね…。誰かしらに何かのトラブルが起きるので、一つの山を越えても、必ず次の山がやってきます。
ーどんな心構えで子育てされているのでしょう?
ポジティブな意味で、一喜一憂しないこと。どんな状況でも笑って過ごせればいいやって思ってます。たとえ子どもがテストで100点を取らなくても、頑張ろうとした気持ちがあれば100点。学校に行けなくても、行こうと思っただけで100点。家で笑顔でいてくれれば100点。そんな風にどんどんハードルを下げていったら、自分の気持ちも少しは楽になったんです。今も長男が不登校という悩みはありますが、家ではのんびり自分らしく過ごして、元気を蓄えて、また行ける日が来たら力を発揮できればそれでいいって思ってます。
ー読者の方へ、子育てのアドバイスをお願いします
我が子を他の子と比べないこと。「にじいろ」の名前の由来にも重なるんですけど、子どもの個性は一人ひとり違うので、その子の良いところを見つけてあげればいいと思うんです。お母さんも同じですね。一人の個性ある人間として、子どもの前で泣いてもいいし、怒ってもいい。
ー大切ですね
怒りすぎて悔やむ時もありますけど、必ず「ごめんね」「好きだから怒るんだよ」って伝えたら、子どもも理解してくれるようになります。子育てに正解はありません。でも、お母さんが楽しんでいれば子どもも楽しんでくれるのは確かです。ママも子どもも「個性」を大切に、楽しく子育てして欲しいと思います。
ーありがとうございました!

▲メンバーや子どもたち(ご提供写真)

ママと子どものにじいろ音楽隊
代表 田初円さん

ママと子どものにじいろ音楽隊Instagram:@nijiiro_room