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○○ママの好きなこと・大切なこと 北海道で頑張る女性たちの居場所とコミュニティを起業!|Acoco 古川遥さん

2025年6月24日 公開

レンタルスペース&子供用品専門買取 Acoco
代表 古川遥さん

2021年に長男を出産し、コロナ禍での育児の孤独感から起業を決意した古川遥さん。2024年7月にコワーキング&レンタルスペース「Acoco」をオープンし、それと同時にわずか1年ほどで50名以上が集まるコミュニティ「Aco'sbase(アコズベース)」を築き上げました。13年間勤めた会社を辞めて挑戦した起業の道のり、家族との向き合い方、そして子育てとの両立について語っていただきました。

Contents

1.コロナ禍での「孤育て」が、起業のきっかけに。
2.ピッチコンテストで夫に本気度をアピール!
3.家族や地域のママ達の助けでどうにかオープン!
4.子育ても自分の夢も諦めないために、柔軟に少しずつ。

コロナ禍での「孤育て」が、起業のきっかけに。

ーまずは「Acoco」について教えてください
1階がコワーキングスペースと子ども用品のレンタル・リサイクルショップ、2階がキッズパークになっているお店です。同時に北海道で活動する女性が集まるコミュニティ「Aco'sbase(アコズベース)」の活動場所としても機能していて、現在約50名の方が登録してくれています。月1度はイベントを開催して、7月には約70店舗が集まる大規模マルシェの主催も予定しています。
ーそもそも起業の理由が育児で苦労されたからとお聞きしました
そうなんです。長男を出産したのは2021年3月、コロナ禍の真っ只中でした。子育てサロンや子どものイベントなど外に出る機会が全くなく、ずーっと家にいるような状態になって…。私はもともと高卒から13年働き続けてきたので、出産を機にはじめて社会から離れてしまったんです。
ーそうだったんですね
生後2ヶ月くらいでピークを迎えて、爆発したというか、唯一の話し相手だった夫にあたるようになってしまって、これはダメだなって(笑)。
どうにか遊びに行ける場所がないか調べたら、そもそも札幌にあまり遊び場がないことに気付きました。また子ども用品を買うにも意外とお金がかかるのに、子ども用品専門のリサイクルショップも札幌に少ない。それで、「遊びと子どもの買い物を一挙にできる場があったらいいな」と思ったのが全てのはじまりでした。で、「無いなら作っちゃえ」と(笑)。
ー勢いですね(笑)
ほとんど勢いですね(笑)。ただ行動に移すまでは少し時間がかかりました。

▲開業当初、1階はレンタル・リサイクルショップのみでしたが、起業家やフリーランスのママたちから「イベントとして使いたい」「ワークショップに貸してほしい」という声を受けてリニューアル。現在、レンタルはネットで受け付けています。

ピッチコンテストで夫に本気度をアピール!

ーご主人はどんな反応でしたか
最初はとにかく大反対でした。振り返ると当たり前ですよね。13年会社員として働いていたのに、いきなりリサイクルショップを出す、しかも店舗を持つとなると、初期投資が100万、200万では済まない話ですし、経営も何も知らないのに無理だろうって。家も建てたばっかりでしたからね。「いきなり何を言い出すんだ」って。
ーその状況は反対されてもおかしくないですね…
長く話し合いを重ねてもうまくいかなくて、このまま家で話し合っても意味がないと気付いて…。それで2024年の1月に女性起業家のピッチコンテストに出場することにしたんです。見に来てもらって本気度を伝えようと。ここから一気に加速した感じですね。
ーいきなり本気(笑)。どんなコンテストだったんですか?
起業への思いや事業構想を5分で発表するものでした。本気度が伝わったのか、それを見に来てもらってからはちょっとずつ応援してくれるようになって。最終的にはお店を作る時も全部一緒に手伝ってくれました。
ーでは、それから本格的に準備されたんですね
3月末に会社を退職して、その年の夏にオープンという目標を立てたので、4ヶ月ほどでの開店でした。オープンまでは尋常じゃないくらい忙しくて、うまくいくのかいかないのか直前になって不安になってきて、気持ちもすごく落ち込みましたね。会社も大好きだったので、辞めるのもなかなか決断がいりましたし。「上手く行かなかったら、もうただ何百万も借金して終わる」みたいなプレッシャーをやっとそこでようやく感じ始めたんです。
ーこのお店はどうやって見つけたのですか?
家に近くて子育て世代が多い北区で、駐車場付きの場所を探してました。ただ元会社員で何の実績もない人が店舗を借りようとすると、やっぱり貸してくれないんですよ。唯一借りられたのがこの建物で、実は元々小さな個人病院だった建物なんです。

2階のキッズスペース。ネットや友達から物を集め、お店を立ち上げるまでの備品や商品を揃えたそうです。

家族や地域のママ達の助けでどうにかオープン!

ーにしても、4ヶ月でよく準備できましたね
本当に寝る間もないぐらいの忙しさでした(笑)。私から呼びかけたわけじゃなかったんですが、準備段階で壁を塗ったり床を張ったりしているのをSNSで発信していたら、それを見た近所のママさんから「何かお手伝いできることはありませんか」と長文のDMをくれて。さらにもう一人ママさんも加わって、3人で深夜11時や12時まで毎日手伝ってくれました。初対面でしたし、それぞれ小さな子どももいるのに、本当にありがたかったです。
あと家族のサポートも欠かせませんでした。結婚後、実家を2世帯住宅に新築して住んでたので、準備期間は両親に子どもを預けてました。それがなかったら無理だったと思いますね。
ーご主人も協力的なのは心強いですよね
むしろ夫の方が子育て上手で、長男は完全なパパっ子。オープン当初は土日営業だったので、その間にパパと息子の時間が増え、より絆が深まったみたいで(笑)
ー子育てで一番苦労された時期はいつでしたか?
会社に復帰して子どもを保育園に入れてからの1年ですね。よく「毎週保育園から連絡が来る」なんて言いますけど、本当に毎週来て(笑)
ーコロナ禍で色々厳しかったですもんね
そうなんです。37.5度を超えたら呼び出しで、熱が下がった日の次の日も休まなければいけないというルールで、1度呼び出されたら2日にか3日は休まなければならない状態でした。その1年間はハウスキーパーを雇って家事を全て任せ、夫や両親に頼れるところは全て頼る方針で乗り切りましたね。

子育ても自分の夢も諦めないために、柔軟に少しずつ。

ー現在は両立できていますか?
開業当初からの両立は難しかったですね。土日も働きづめで子どもに寂しい思いをさせたこともありました。私は家族も仕事も同じくらい大事にしたかったので、現在は完全予約制にして家族との時間を確保しています。オープンして一年やってみて初めて気づいたという感じです。とりあえず挑戦して、あとは柔軟に変えて行けばいいや、と考えてます。
ー子育てをしながら夢を叶えているのが素晴らしいです
でも、まずは家族に理解してもらうことが必要不可欠だと思います。ここは、どんなに時間をかけてもやった方がいいですね。もちろん反対にも遭うかもしれませんが、100%聞いてしまったら自分が本当にやりたいことは手に入りません。信念はブレずに頑張ってアピールするべきだと思います。
ー1年でガラリと生活が変わりましたね
子育ては自分を見直すきっかけにもなってくれるんだなあって。ほとんど勢いで突っ走って起業しましたが、今ではたくさんの自立した女性たち、同じ志を持つ仲間たちに囲まれています。おかげさまでコミュニティも盛況なので、これからも新たな挑戦ができるんじゃないかなと、今ワクワクしているところです。
ーありがとうございました!

▲7月27日には「インクルーシブ夏マルシェ」を開催。約70店舗が出店する大規模なイベントを予定しています。

レンタルスペース&子供用品専門買取 Acoco
代表 古川遥さん

Acoco Instagram:@acoco_sapporo
Acoco Webサイト:https://r.goope.jp/acoco-sapporo/menu