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○○ママの好きなこと・大切なこと 植物で暮らしの中にゆとりを。植物空間epuy|矢代麻季子さん

2025年10月14日 公開

植物空間epuy
矢代麻季子さん

「人と植物が出会う空間を作りたい」とフローリストの矢代麻季子さんが始めた「植物空間epuy(エプイ)」。子供向けにフラワーアレンジメントや、大人向けではリースやフレッシュハーブブーケ作りなど、植物を使ったワークショップをメインに行っています。現在2歳と5歳の姉妹を育てながら、活動に励んでいますが、ここに至るまでには、働くママとしての苦労や葛藤もあったそう。矢代さんのこれまでの歩みや、植物空間epuyの活動内容について伺いました。

Contents

1.屋久杉の生命力に圧倒されて
2.一緒に頑張るママがいたから、一歩を踏み出せた
3.新たに魅了されたハーブ
4.活動を広げて、自分自身も楽しんでいきたい

屋久杉の生命力に圧倒されて

ーいつから植物に興味を持つように?

社会人になってからですね。新卒で勤めた会社を辞めた後に、友人と一緒に鹿児島県の屋久島に行ったことがきっかけです。屋久島で登山をし、樹齢1000年を超える立派な屋久杉を見て、植物の持つ生命力に魅了されてしまいました。

ーそれが矢代さんと植物の出合いだったんですね

造園会社へ転職して、商業施設やモデルルームに、アートフラワーを使ったフラワーディスプレイの担当をさせてもらえることに。未経験でしたが社長自らが教えてくれて、徐々に現場をひとりで任せてもらえるようになりました。次に結婚式場を運営している会社へ転職し、生花での装花を担当。自分が植物を使ってできることの幅を広げていきました。

ー着実にスキルアップしていったんですね

業界で働き始めて15年ぐらいでしたかね…その後はウェディング専門学校の非常勤講師として活動していたんです。結婚したのもこの時期で、翌年には長女を出産しました。生後8か月で義母に預けて復職して、その後はすぐに保育園に入園させたんですけど…登園初日に、長女が体調を崩してしまったんです。預けた初日から授業を休まないといけないことに、子育てとの両立へプレッシャーを感じましたね。

一緒に頑張るママがいたから、一歩を踏み出せた

ー子育てと仕事の両立は、働くママの課題ですよね

何回も仕事を休まなければいけない状況が続き、両立の難しさを痛感しました。そんな日々の中で私自身も、体調を崩してしまったんですよね。次女を妊娠するまではなんとか頑張ったのですが「もう限界かもしれない」と感じ、退職することにしたんです。

ーそうだったんですね

両立ができそうな他の仕事に転職してみようと調べても、自分のやりたいことを見つけることができませんでした。だけど、少しずつ時間が経つうちに「植物を使って、自分で何か始めようかな」と、前向きな気持ちがでてきたんです。ちょうどそのころに、手稲区にある「タネの森」という交流施設で、子育てに関する講座を受講していて。タネの森で過ごしていくうちに、自分のやりたいことに挑戦している他のママを見て、「私にもできるかもしれない」とすごく刺激を受けたんです。

ー一歩を踏み出したんですね

人と植物が出会う場所を作りたいと、2024年7月に「植物空間epuy(エプイ)」をスタートさせました。エプイは、アイヌ語で「木の花」という意味です。アイヌの人たちは植物を大事にし生きてきたという話を知り、この名前を付けました。暮らしの中に植物を飾ることで得る心の豊かさを、ワークショップなどを通して伝えていけたらと思っています。

新たに魅了されたハーブ

▲アレンジメントされたフレッシュハーブのブーケ。なかなか一般の花屋では見ることができない貴重なフレッシュハーブが多く使われているそうです(ご提供写真)

ー植物空間epuyではどんなワークショップを?

子どもたちが自由に花を生けたり観察したりというワークショップや、大人向けではスモークツリーという木を使ったリース作りなどを定期的に開催しています。最近では、石狩のハーブ農園でハーブ摘みの体験とブーケを作るワークショップを行ったのがとても好評でした。

ーフレッシュハーブ、札幌近郊で採れるんですね

以前は、道東のハーブ農園から仕入れをしてワークショップを開催していたのですが、生産を終了してしまったんですね。もっとハーブの勉強をしたいと調べるうちに出会ったのが石狩の養蜂ハーブガーデン la tableverteさんでした。ちょうどお手伝いの募集があり、お伺いしたのがきっかけで「ガーデンでワークショップをやってみませんか?」とお声がけをいただいたんです。

ー矢代さんにとってハーブの魅力は?

今までいろんな植物を扱ってきましたが、ハーブは楽しみ方がたくさんある植物だと思っています。飾ったり、食べたり、お茶にして飲んだり、お風呂に入れたり…と、いろんな表情を持っているので、探究心がくすぐられるんです。ハーブガーデンでは、ハーブについて沢山の事を教えて頂けていて、貴重な時間になっています。

▲ハーブを束ねてブーケをつくるワークショップの様子。初めての方も多く、みなさん楽しんでくれたそうです(ご提供写真)

楽しむことを忘れずに、活動を広げていきたい

ー活動の中でのやりがいは?

20年ほど植物に関わる仕事をしていますが、自分が仕入れた花を喜んでくれたり、ワークショップで作ったブーケを家に飾ってもらえたりすると、嬉しいしやりがいも感じますね。子育て中のママは、なかなか花を飾るのは難しい場面も多いかもしれませんね。だけど、ワークショップに来るママたちからは「お花を飾りたかったんです」という声もよく聞きます。暮らしの中に植物があることで、癒される瞬間があるのだと思います。

ーこれからについて教えてください

今はまだ活動範囲が狭いので、これからいろんなイベントに参加して、植物空間epuyを知ってもらいたいと思っています。ハーブの勉強ももっと深めていきたいし、ワークショップもたくさん開催したいですね。特に子ども向けのワークショップは、感性豊かな面白いものができあがることが多いので、主催する私が一番楽しんでいるほどです。あとは、自分の娘たちがもう少し大きくなったら、家族で登山をしたいという夢があります。野山に咲く野草を一緒に探したり、山頂の景色を一緒に楽しむ日を心待ちにしています。

ーありがとうございました!

植物空間epuy
矢代麻季子さん