働く主婦のリアルボイス｜コールセンターの発信業務【株式会社TMJ】

インタビューしたのは／髙木直美さん（37歳）
ご主人と17歳、13歳の娘さんとの4人暮らし。7年ほど前から株式会社TMJにてコールセンター業務に就き、幼児向け英語教材の販売・相談窓口のアドバイザーを担当している。現在は週3〜4日、9：00〜17：00まで勤務。

電話先のお客様は、優しいお母さんばかりです。
私の担当は、幼児向け英語教材の販売や相談窓口のアドバイザーとして、資料請求をしてくださったお客様にお電話を差し上げることです。入社が決まって研修がスタートした当時は、楽しかった記憶しかありません。緊張もしましたが、参加者はコールセンター未経験の新人さんでしたから、お互いに共感し合えることばかりだったんですね。ベテランさんの中にひとりだけ新人として入るのではなく、同期の仲間がたくさんいたことはとても心強く思えました。なにより、新しいことに挑戦できることが楽しみだったんです。
研修は企業理念を学ぶことから始まり、扱う教材の内容を覚えたり、新人同士で電話の練習をしたり、時間をかけて研修してくださった印象があります。新人として現場にデビューし、初めて電話がつながった際は頭が真っ白になったことを思い出します。でも、お電話を差し上げるのは小さなお子さんを育てているお母さんですから、みなさんとても優しくて。友達と話す感覚とまではいきませんが、主婦という同じ立場の方にお電話するという意味で安心感がありました。正直なところ、コールセンターの発信業務は「断られてなんぼ」というイメージを持っていたのですが、私のつたない話を最後までていねいに聞いてくださるお客様ばかりで印象が変わりました。とはいえご登録電話のほとんどは携帯番号ですから、だいたい1時間に50件ほどお電話差し上げて、お話しできる方は3人程度といったところでしょうか。
今は週3〜4日、9時〜17時まで勤務しています。1時間20分おきに10分の休憩があり、お昼休みは13時から1時間あります。最初は16時までの時短勤務でしたが、子どもたちに自立心が芽生えたり、私自身「もう少し働きたい」という気持ちが出てきたこと、なにより同期入社で16時まで働いていた方たちがすぐに17時までの勤務に切り替えていたことに触発されて、1年経たないうちに勤務時間を延ばしました。同じ商品を担当するグループのメンバーは約30名ほど。私よりも年上の先輩ママさんもたくさんいらっしゃるんですよ。

自分の時間と家族の時間のメリハリがつきました。
新人のときは、震えながらマニュアル通りにお電話したものですが、会話が想定通りに進むとは限りません。「今回はこう伝えたけれどお客様に響かなかったから、次はこう伝えてみよう」などと試行錯誤しつつ、フリートークができるようになったのは半年くらい経った頃だったでしょうか。同僚の伝え方でいいなと思ったキーワードをネタ帳に書き込んでみたり、うまくお客様とお話しできているスタッフの横に座ってみたりして学ぶうちに、いつしか自分なりの話し方が出来上がってくるので、「30人いれば30通りのやり方」があるんです。そういう意味では日々勉強ですね。我が家の子どもたちが英語で苦労したこともあり、「お客様には同じ道を歩んでほしくない」という信念を持ってお伝えしています。「今のうちに準備できることを、保護者の方が準備してください」って。
仕事の目標は、お客様にご説明して契約を受注することですが、電話や受注に関する個人のノルマはありません。グループ単位で目指す目標数値があるので、ひとりの作業ではありますが、グループで目標に到達した時は、達成感と一体感が味わえます。だからこそ、誰かが受注できると一緒に喜び合えるんです。達成できなかったとしても、目指した結果ですからおとがめはないので安心してください。思い通りに電話がつながらないこともありますが、そんな時は休憩時間に甘いものを食べてリフレッシュ。10分休憩は、気持ちの切り替えにも役立っています。うまく行かない経験は、次のやり方に生かせば良いですし、周囲には気持ちを共有できる仲間がいますから、互いに励まし合って乗り越えています。
子どもを通してのママ友と違い、会社では私個人と直接つながる仲間ができます。この年齢になると、自分単体で誰かと知り合い、友達を作る機会はなかなかありません。「○○ちゃんのママ」という世界から飛び出し、自分ひとりの時間を持ち、個人同士の話ができる関係ができたのは、学生以来の出来事だったように思います。子育てを通してのママ友、学校行事、家庭行事、そこに自分の時間を加えることで、自分の時間を大切にしつつ家庭の時間も大切にするメリハリが生まれたことも、仕事を始めて得られたメリットだと感じています。