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働く制度・法律 自分は対象?対象外?「社会保険適用拡大」で変わるパート・アルバイトの働き方

2025年8月20日 公開

パート・アルバイトを探す主婦の方に気になるのが「扶養内」というワード。正式名を「社会保険の適用範囲」といい、一定の年収や条件を満たすと「社会保険料」が給料から天引きされる仕組みのことをさします。これは公的サービスや将来もらえる年金額が増えるという一方で、現在の給料が目減りしてしまう現象も生じます。今回はその適用範囲について、最新情報(2025年6月公布「年金制度改正法」)を元に解説していきます。

近年になり対象が拡大している「企業の規模」

パート・アルバイト等に関する社会保険の適用拡大は、数年かけて段階的に「企業の規模」が引き下げられてきました。今後も段階的にこの規模要件は変化して10年後(2035年)には撤廃されます。
2025年6月現在の基準は「従業員51人以上」です。但し「職場」ではなく「企業」という単位ですので、たとえ小さなお店だとしても、全体で51人を超えているケースは意外と多いのです。また現状50人以下でも企業単位で加入出来る制度がありますので適用されている事業所は増加しております。

例えば、こんな職場で働いている方は要注意です。

・コンビニ、ドラッグストア、スーパーなどのチェーン店
・学習塾や英会話教室の複数教室展開
・美容院やエステサロンの多店舗経営
・介護施設や保育園の複数施設運営
・クリニックや歯科医院の分院

どう判断する?5つのチェックポイント

なお従業員数を含めて、社会保険の対象になるかどうかは、以下の要件すべてに当てはまるかにかかっています。そのため51人以上の会社でも、労働時間が短い場合や短期バイトの場合は対象になりません。

1.従業員51人以上(2027年10月以降は上図参照、50人以下の例外も有り)の会社で働いている
2.週20時間以上働いている(残業時間は含まない)
3.月8.8万円以上のお給料をもらっている(交通費・残業代除く);今後3年以内でこの要件は撤廃
4.2ヶ月を超えて働く予定がある
5.学生ではない

実は充実した保障内容?知っておきたい社会保険の基本情報

社会保険への加入で受けられる保障について、基本的な内容をご紹介します。

【社会保険で受けられる主な保障】
・医療費:3割負担(高額療養費制度もあり)
・傷病手当金:給与の3分の2を最大1年半
・出産手当金:給与の3分の2を産前産後で計98日分
・障害年金:障害等級3級から支給(国民年金は1・2級のみ)
・遺族年金:配偶者や子どもに支給
・老齢年金:国民年金+厚生年金の2階建てになる

一方で、毎月の保険料負担が生ずることや、扶養から外れることによる影響もあります。これらの情報を踏まえて、ご自身の状況に合った選択をすることが大切です。

結局、加入した方がいいの?避けた方がいいの?

これは個人の状況によって答えが変わります。判断の参考となるポイントをまとめました。

【加入によるメリットが大きい可能性がある人】
・現在、国民年金・国民健康保険を自分で払っている
・将来の年金を増やしたい
・病気やケガのリスクに備えたい
・長期的に働き続ける予定

【加入による負担が大きい可能性がある人】
・配偶者の扶養手当が高額(月2万円以上など)
・短期間だけ働く予定 ・家計が厳しく、月1万円の負担増が困難
・現在の手取り額を維持したい

ただし、働き方を制限することで収入が減る可能性もあるため、総合的に判断することが大切です。

まとめ:情報を理解して、自分に合った選択を

社会保険の加入には上述した問題がありますので、どちらを重視するかは個人の価値観や状況によって異なります。大切なのは制度の内容を正しく理解し、ご自身の状況に合った判断をすることです。不明な点があれば、職場の総務担当者や年金事務所に相談してみましょう。

また現在、「103万円の壁」について活発な議論が続いています。これは配偶者控除の適用基準となる年収103万円のことで、多くのパート労働者がこの金額を超えないよう就業調整を行っている現状をふまえてのもの。政府は働き方の多様化や労働力確保の観点から、今後も制度の見直しを継続する方針を示しています。今は対象外でも近い将来、対象となる可能性もあるため、今後の変化に対応するために最新情報をチェックしておくと良いかもしれません。