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○○ママの好きなこと・大切なこと 夫のアートをより拡げるために。安定キャリアを卒業し挑戦した新たな道|相川富美子さん

2025年9月16日 公開

サロン・ディアローグ代表
相川富美子さん

画家・相川みつぐさんの妻で、5歳娘のママである相川富美子さん。昨年に20年勤めた会社を退職し、現在はご主人の活動をサポートしながら、自らも小顔調整サロンを経営しています。新たな挑戦に踏み出した経緯や、夫が創作活動と育児を、妻が複数の事業を担うという新しい家族の形について、お話を伺いました。

Contents

1.美容業界やアパレルを経て会社員へ!
2.新たな部署や課の立ち上げにも奔走
3.仲間と家族の支えのもと、会社員から卒業!
4.泥臭く挑戦する姿を、娘に見せ続けていたい

美容業界やアパレルを経て会社員へ!

ーまずは現在の活動について教えてください
小顔調整サロンを経営しています。西野にあるこの自宅と、中央区のマンションの2箇所が主な拠点ですね。それから美容液関連事業、水素機器事業なども並行してやってます。

ーご主人である画家、相川みつぐさんのマネジメント活動もされているそうですね
そうなんです。夫は出会った時から絵描きとして活動してきました。ありがたい事に長年の活動により、芸術祭やイベント、地域活性化プロジェクトなどあらゆるお話をいただいています。企業や団体などからお仕事の依頼が入った時にはなるべく私も同席するようにしているんです。
夫の作品は「BiVi新さっぽろ」「大丸札幌店」「南区役所」、それから江別の「EBRI」などに壁画があるので、お仕事以外の場面でも「どこかで見たことがある!」と言われる機会もとても多いですね。サロンにも夫の絵を飾っていますが、「知ってます!」「フォローしてます!」など言われる事も多くて、認知度が広がっているのを実感してとっても嬉しいです。

参考記事:https://sapporo-mirai-base.jp/article/1789/

ーなかなか特殊なお仕事ですけど、これまではどんなお仕事をされていたんですか?
もともと小さな頃からの夢は美容師だったんです。ちょうど「カリスマ美容師」みたいな存在がブームだった時代で、高校卒業後にすぐ美容室に就職してアシスタントからスタートしました。でも当時は今と違って、技術を習得するために閉店後遅くまで残り練習を繰り返していた時代。体調を崩してしまい1年ほどで退職しました。その後は大手化粧品会社やアパレルで働いてたんですが、24歳の時に環境を変えたくて広告出版会社に転職したんです。入社試験の成績がギリギリで受かったのをよく覚えてます(笑)

▲ご主人のみつぐさんが「BiVi新さっぽろ」に描いた壁画(ご提供写真)

新たな部署の立ち上げや管理職も経験

ーそこから会社員になったんですね
そうですね。最初は広告営業の現場に配属されたんですが、接客業しか経験したことがなかったので初めてのオフィスでの営業職で、わからないことだらけでした。パソコン操作も「ダブルクリックって何ですか?」みたいなレベルでしたから(笑)。でも、入社1ヶ月が経った頃には100社以上のお客さんを持つまで任せてもらえました。とにかく毎日必死、毎日朝早く出社して、みんなが来るまでに準備を済ませて夜遅くまで働く日々でした。実は同じ会社に姉と義理の兄が働いていたので、「絶対に迷惑をかけないぞ!しっかり頑張ろう!」っていう気持ちがとても強かったんですよね。

ー大変でしたね
でも、大変さ以上に本当に沢山の貴重な経験をさせてもらったと思ってます。信頼できる上司と同僚のおかげで、自分の強みを組織に生かせているのを実感しながら成長を続けていけました。新しい部署や課の立ち上げにも携わらせてもらって、ゼロベースから仕組みを作るのが好きで、得意なことかもしれないと感じるようになったんです。

ーご主人とはいつご結婚をされたんですか?
2011年の東日本大震災が起きた年、30歳の頃に結婚しました。

ー出産はいつごろでしたか?
39歳の時に出産しました。言いにくいんですけど、あんまり苦労はしなくて…とてもありがたいことに、ほとんどの育児と家事を夫が担ってくれてるんです。小さな頃は夜泣きもあったんですが、夫が起きてくれて、ミルクも夫が作りあげてくれていました。一般のパパとママの役割が逆転してるような感じですね。家族の生活を支えるのは私の役割だと自分では考えていたので、産後8週ですぐに復帰して仕事に集中させてもらいました。

ー仕事は変わらずお好きだったんですね
はい!仕事、大好きなんでしょうね(笑)。出産後、特に管理職になってからは毎日がとにかく楽しかったです。マネジメントについてたくさん学び、実践していく中で部下であるチームメンバーそれぞれが持つ素晴らしい能力が、どのようにしていけばより発揮されるのか? どこをどう伸ばしていけばチームの組織効力感を高めていけるのか? そして何より、メンバーがより幸せな毎日を過ごせるための環境を作っていくためにできることは何だろうか…。自分の部署のこと、他の部署のこと、そして会社組織全体のこと…毎日夜中まで考える日々を過ごしていました。すごく働きがいがあり、そして素晴らしく充実した日々でした。

仲間と家族の支えのもと、会社員から卒業!

▲ご主人が窓の絵を手掛けた倶知安町の「Pyram Organics & Plants」にて(ご提供写真)

ーそれだけ楽しかったのに、退職を決めたのはなぜだったのでしょう
画家である夫のアーティスト活動を拡げるためです。私は仕事人間なので、どうしても仕事ばかりに集中してしまいます。育児・家事を夫がしてくれていることに甘えてしまい、仕事1000%で動いてしまっていました。夫の活動を拡げるために、やりたいことはすでに戦略を立て実行に移していたものの、時間がなくて、なかなかアートの事業計画が進みませんでした。
とはいえ、20年勤めて、管理職という安定のキャリアを卒業するわけですから、どうやって生活の軸を作るかが課題でした。

ーそれがサロンだったんですね
退職を意識し始めた3年前、真っ先に頭に浮かんだのが、SNSで以前からフォローしていた方でした。顔のツボや表情筋トレーナー、顔ヨガ、ヨガの分野で活動されてる方で、考え方や価値観、人間性がとても魅力的でいつか会いたいなと思っていたんです。その方が名古屋で顔ツボの養成講座を開いているのを知りすぐに連絡をしました。そして名古屋に手技を学びにいき、zoomで座学を学び、無事に資格を取得しました。それからは、シェアサロンで仕事帰りの夜や週末に少しずつサロンワークを行なっていました。とはいえ、なかなか退職時期は決めかねていたのも事実で…

ー意外でした
20年近く務めてましたし、安定してたので勇気が出なかったんですよね。でも、親しい後輩が先に卒業してフリーランスになることが決まって。彼女には全て打ち明けてたので、会うたびに「ふみさんはいつ卒業ですか?」ってゆさぶられ(笑)。そのうち他の信頼する仲間たちも「どんなビジネスなら上手く行くか」を一緒に真剣に考えてくれるようになって、これはもう動き出すタイミングなんだ!とやっと覚悟が決まりました。

ーいろんな方が応援してくれたんですね
本当に周りの人に恵まれていると実感してます。事業計画を一緒に考えてくれたり、毎日のようにLINEをくれたり。退職を言い出すことができたのも、仲間たちと夫のおかげ。仲間に相談しながら具体的な数字を出してまずは目標を決めてからは一気に進みました。私は目標が決まると動けるタイプなので、そこから本格的に準備を始められたんです。退職後も仲間たちはいつもサポートをしてくれているので、フリーランスではありますが、孤独を感じる場面は一切なく、本当に…心強いです!

泥臭く挑戦する姿を、娘に見せ続けていたい

▲ご自宅兼サロンのところどころに、ご主人の作品が飾られています。

ー現在の家族での時間はいかがですか?
すごく増えましたね。会社員時代は朝30分程度しか一緒にいなかったのですが、今は朝の2、3時間は必ず一緒に過ごして、夫と娘と3人で幼稚園まで送って行くのが日課です。夜も一緒に食事をとれる日が多くなりました。

ー育児で大切にしていることはありますか?
全然うまくはいきませんが、フランス式の育児を参考にしていました。生まれた時から一人の人として尊重することを大切にしてます。大人が子どもに合わせるのではなく、子どもが大人に合わせる形と言えばわかりやすいでしょうか。例えば夫の打ち合わせにも小さい頃から連れて行ってましたし、ギャラリー等にもいつも一緒にいきます。遊びの面でも、スケッチブックに絵を描いたり 、 積み木遊びをさせたり、外で自然にふれる時間を作ることで、自分で考える創造力を育みたいと考えてきました。

ー面白いお子さんに育ちそうですね
でも最近は自分が背中を見せる以上に、私自身が娘の挑戦する姿から前に進む勇気やワクワクする気持ちをもらってるって気付きました。娘は生まれた瞬間から、挑戦の日々を過ごしてます。その姿は私が願っていた「挑戦を楽しむ人生を歩んでほしい」とそのものだと実感するんです。今年の5歳の夏休みには、毎日自転車の練習をして乗れるようになりました!

ーこれからについても教えて下さい
一度きりの人生、これからも不安を燃料にしながら挑戦しつづける人生を歩みたいと思っています。挑戦はすっごく不安や恐怖やいろんな感情に襲われます。でも、家族や仲間に「大丈夫」と言われたら、わたしも「大丈夫」と思えるんです。

ー最後に、ママたちにメッセージをお願いします
常識にとらわれず自分の気持ちに素直に、心地よくいることが、結果的に子どもや家族、周りの人を幸せに導くのかもしれません。私の場合は、一番リスペクトしている愛する夫のアーティスト活動をサポートしたい、という想いが一番強くて、結果的に家族との時間が増え、優しい時間を過ごせていると思います。
子供のため、夫のため、家族のために…自分の気持ちは後回し、そのようなママは本当に沢山いると思います。本当にすごいことですし、素晴らしいです。でも、みなさんが自分の気持ちに素直になった時に浮かぶ事は何でしょうか? 自分と向き合う時間を少しでも作ることが結果として自分と家族に対する優しさにつながるのかもしれないと思っています。

ーありがとうございました!

▲みつぐさんの絵本「Ms.ストペロピンクス」を手に

サロン・ディアローグ代表
相川富美子さん

相川富美子さん Instagram:@a__fumiko
Salon Dialogue Webサイト:https://salon-dialogue.com

アーティスト/相川 みつぐさん Instagram:@aikawamitsugu