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○○ママの好きなこと・大切なこと 子どもの偏食は誰のせいでもない!偏食っ子ママが提案する、頑張らなくていい食卓。

2024年11月1日 公開

偏食改善アドバイザー たばたゆうこさん

今回お話を伺ったのは、偏食改善アドバイザーとして活動するたばたゆうこさん(@hapi_meshi.yuko)。子育て中のママたちから寄せられる「離乳食を食べてくれない」「偏食で将来が心配」といった悩みにアドバイスや指導を行っています。ご自身もASD(自閉症スペクトラム)を持つ5歳長男の偏食に悩みを抱えているというたばたさんに、活動をはじめたきっかけや今後についてお話を伺いました。

Contents

1.固形物をそのまま!?画期的な離乳法を提案。
2.ある日突然、何も食べなくなってしまった長男。
3.偏食はママのせいでも、子どものせいでもない。
4.頑張らなくていい、楽しい食卓を。

固形物をそのまま!?画期的な離乳法を提案。


ーまずは現在のご活動について教えてください!

管理栄養士としてのキャリアや、自身の育児での経験を生かして、ベビーファースト離乳食コンサルタント、偏食改善アドバイザー、乳幼児専門の管理栄養士として活動しています。
ー子育て中のママに向けて、どのような助言をしているのでしょうか
離乳食期の食に悩む方には、「BLW」と「補完食」という2つの方法を勧めています。まず「BLW」とは、Baby-Led Weaning(ベイビー・レッド・ウィーニング)の略で、赤ちゃんの自主性を重んじるという考え方。海外で普及しています。
ー赤ちゃんの自主性…ですか?
食べる量、ペース、順番などを赤ちゃんの自主性に委ねるという方法です。より具体的に言うと、生後5〜6ヶ月の離乳食がはじまるタイミングで、ドロドロの離乳食ではなく、固形物を固形物のまま、小さくしたものを与えます。食器はあってもなくてもよく、無理に食べさせることもしません。
ーえっ、固形のまま食べるんですか!?
私もはじめて聞いた時に衝撃を受けました。ある程度小さく切り分けはしますが、焼肉もコロッケもそのまんま、食べてくれます。想像つかないですよね(笑)。私の子の場合、離乳食期はこの方法で驚くほどバクバクと食べてくれました。
ーもう一方の「補完食」とは何ですか?
従来型の離乳食は「母乳やミルクを別な食事に置き換える」という考え方ですが、補完食は「母乳やミルクを基本に、足りない栄養素を食事でおぎなう」という考え方です。実は母乳やミルクでも赤ちゃんには充分な栄養が取れますので、少し食べないからと言って心配する必要はないんです。

ある日突然、何も食べなくなってしまった長男。

ーご自身もASDを持つお子さんの偏食に悩んだとか?
そうなんです。長男はASD、つまり自閉症スペクトラムを持っていて、特有のこだわりがあります。離乳食期から2歳ぐらいまでは何でも食べてくれる子だったのですが、ある日突然、何を用意しても食べなくなってしまって…
ーそれはショックでしたね
管理栄養士として10年以上働いてきましたし、料理の腕にも自信があったんです。それがいきなり、食べ物を前にしても何の反応もない、私とは目も合わせてくれないという状況で、もうどうしていいか分からず、泣いてばかりの日々でした。食事のたびに苦しい思いをするので「一日一食だったらいいのに」と何度も思いましたし、人から職業を聞かれるのがすごく苦しかったです。
ー原因がASDだとはいつ分かったのですか?
食べなくなった2歳ぐらいの時期から感じてはいたのですが、実際に診断を受けたのは3歳半ぐらいの頃でした。診断を受けたとき「ああやっぱりか」とこれまでのことが腑に落ちて、かえって気分がラクになりましたね。ASDは周囲の理解が大切なので「じゃあみんなに知ってもらえばいいや」って、頭を切り替えようと思ったんです。

偏食はママのせいでも、子どものせいでもない。

Instagramでは子どもの偏食に悩みを抱えるママに向けて、さまざまなアドバイスを発信しています。

ー現在、ご自身のお子さんの偏食は改善されましたか?
今でも改善はされていなくて、日々奮闘しています。例えば、お米やパンを食べてくれない時期には、食感がカリカリした料理なら食べてくれることが分かって、コロッケやメンチカツ、カリカリに焼き上げたトーストを食べさせました。こうやって対策しても、突然食べなくなってしまうんですよね。でも、偏食はママのせいでも、子どものせいでもないという事に気付いてからは気持ちがラクになりました。
ーなるほど。確かにそう聞くと、気持ちが軽くなりますね。
どんなに食べない子どもでも成長と共にいつか食べられるようになります。そのためには、いつも食卓に色んな食事が並んでいること、そして親が食べる姿を見せることが大切です。改善には2、3年かかることもありますが、長い目で気負わずに子育てして欲しいなって思います。
ー特に幼いうちは、心配してしまいますよね
先輩ママに聞いても「そのうち治るよ」なんて言われることがほとんどですからね。子どもの偏食は悩んでいる方は少なくても、1人1人の悩みは深いんです。

頑張らなくていい、楽しい食卓を。

ー実際、アドバイスを受けた方からはどんな声を聞いていますか?
実際に偏食を解決できて良かったという声も多く頂けますし、「頑張らなくて良くなった」「気持ちがラクになった」と言っていただける機会が多いですね。私の印象ですが、料理の腕にコンプレックスを抱いている方も多いと感じています。昨今だとSNSでキラキラしたレシピを見て、自分の料理と比較して落ち込んでしまう方も多いですからね。
ー活動を通じて伝えたいことは何ですか?
「家族のHAPPYは食卓から」をキーワードに活動しています。「食べる」って生涯続くからこそ、楽しめるか、楽しめないかで大きく人生が変わりますよね。それに、人って誰かと一緒に食べているときが一番おしゃべりなはず。たとえ今は食べなくても、キラキラしたお料理じゃなくても、色とりどりの料理が並んで、そこに笑顔が生まれたらいいんです。
ー今後の目標は?
活動をはじめてまだ1年ほどですが、ありがたいことにコラボ企画などのお話も頂いています。「BLW」自体も認知がまだまだ進んでないですし、北海道って特に偏食に関する活動をしている人が少ないんです。現在は札幌を中心に活動していますが、もっと全道にも活動する範囲を広げていきたいですね。
ーありがとうございました!

偏食改善アドバイザー
たばたゆうこさん

Instagram:@hapi_meshi.yuko