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○○ママの好きなこと・大切なこと 大好きな家族との時間を大切に。バインミー店主のベトナム人パパ。

2024年11月12日 公開

バインミーグエン店主 グエン・フィ・フンさん

札幌市北区のあいの里で、「バインミーグエン」を経営するベトナム人のグエン・フィ・フンさん(@banhminguyensapporo)。グエンさんは札幌出身の奥様と結婚し、現在5歳と0歳3ヵ月の男の子たちのパパです。なぜ札幌でベトナムのサンドイッチであるバインミーのお店を始めたのか、日本とベトナムの子育ての違いなどを伺いました。

Contents

1.ドラマのような出会いで国際結婚。
2.夢だったベトナム料理店をオープン!
3.母国では「みんなで子育て」が当たり前。
4.家族で一緒にいることが、一番大切。

ドラマのような出会いで国際結婚。


ー奥様との出会いはどちらで?

ベトナムで知り合いました。大学卒業後にホテルで働いていたとき、そこに宿泊していたのがベトナムを旅行中だった妻だったんです。その頃、僕はもう日本に行くことを決めていたので「日本人と話したい」と思って声をかけたのが始まりなんです。ベトナムでは大学卒業後に外国で働く人も多く、僕も周りと同じように外国、特に人気の日本で就職を考えていました。


ー日本にはいつから住んでいますか?

僕が大学を卒業した2017年頃からですね。最初は茨城県の水戸市で働きました。


ー札幌へ来られたのはいつ頃ですか?

2019年に結婚し、妻の妊娠を機に札幌に来ました。結婚当初は、僕は茨城、妻は東京にいたのですが、妻の妊娠がわかり、慌てて札幌で暮らすことになったんです。札幌という土地を知らなかった僕は、こっちに来てから本格的な冬を体験し、よく風邪をひいていました(笑)。その頃は長男が生まれ、僕も新しい仕事を始めたりと、慌ただしく毎日が過ぎていきました。

夢だったベトナム料理店をオープン!

バインミーのお店を出そうと思ったきっかけは?
妻が僕の作るベトナム料理を好きとずっと言ってくれていて。夜、長男が寝た後に、ふたりで「ベトナム料理のお店をいつかやりたいね」と話すことが多かったんです。僕も、自分でお店を持って美味しいベトナム料理を、お客さまに届けることをイメージしたら、ワクワクしたんですよね。

ーグエンさんのベトナム料理、美味しそうです。
「バインセオ」という、日本でいうお好み焼きのようなものが妻は大好きです。他にも定番の生春巻きとかも作りますね。ただお店を出すにしても、「どんなベトナム料理が一番日本人に受け入れられるだろう」と考えていました。その時に東京でバインミーが流行っていると聞いたんですよ。

ーそうなんですね。
「日本人はバインミーが好きなんだ!」と知り、それから4年ほどかけて働きながら試作を重ね、納得できるバインミーを完成させました。でもまだ自信がなかったので、お客さまの反応を見てみたいと思ったんです。そこで妻の姉が飲食店を経営していたので、そのお店を週に1回借りてバインミーを販売してみることにしました。

ー反応はいかがでしたか?
友人がお祝いで駆けつけてくれたり、全く知らない人が買ってくれるなど、嬉しいことばかりでしたね。週1回の販売を半年ほど続けたことで手応えを感じ、仕事を辞めて自分のお店を出そうと決意しました。

母国では「みんなで子育て」が当たり前。

▲こちらがグエンさんが作るバインミー。フランスパンにたっぷりの野菜やお肉に加えて、レバーパテやパクチーなどもサンドされていることが特徴です。

ーお店の場所は、なぜあいの里にしたんですか?
妻の実家があいの里で、「家に使っていないスペースがあるから使っていいよ」と義理の両親からのご好意に甘えました。自分でお店の形になるようにDIYし、SNSでオープン日を告知しましたが、本当にお客さまが来てくれるかは不安でしたね。

ー場所を借りて販売している時とは、違う緊張感がありますよね。
2024年8月のオープン初日は、お客さまがひっきりなしに来てくれました。近くの大学の学生さんや近所の方、札幌に住むベトナム人の友人たちなど、本当にたくさんの方が来てくれて…新規のお客さまも多く、遠くは手稲や江別からも来てくれていましたね。

ーちょうどその頃に、第二子のお子さんが誕生したんですよね?
そうです。子どもがふたりになって子育ては忙しくなったけど幸せですね。

ー子育てでベトナムと違うところは?
ベトナムは親戚を含む家族の繋がりが強いので、夫婦だけで子どもを見ることはあまりないかもしれません。妻はベトナムに帰省した時に、中学生くらいの男の子が赤ちゃんをあやしていたり、親戚の叔父さんがよその子どもの世話をしている日常を見て驚いていました。でもベトナムでは当たり前の光景で、みんなで子どもを育てる文化なんです。

ー子育てがしやすそうです。
子どもと両親と相性が良くなければ親戚のおじさんの所にホームステイして、戻りたくなったら戻る、なんてこともあります。日本のように「ママがやらなきゃ」という感覚は薄いかもしれないですね。でも、日本の方が公園が多くて綺麗など良い部分もいっぱいありますよ。ベトナムは公園が少ないんです。それに日本はとっても治安が良いですね。

▲店内を彩る提灯は、すべてグエンさんがベトナムから取り寄せたそう。

▲ベトナムでの結婚式の様子(提供写真)

家族で一緒にいることが、一番大切。

▲取材の日は、妻の真保さんと次男くんが同席してくれました。お兄ちゃんは保育園へ行っていたので残念ながら会えませんでした。

ー普段は何語でお子さんたちと会話されるんですか?
基本は日本語です。でも、長男はベトナム語も少し話せます。僕が動画でベトナムの歌を流すので、それを真似して覚えているようです(笑)ベトナム料理も好きで、パクチー入りのバインミーもペロリと食べてしまいます。「美味しい!」と食べる姿を見ていると嬉しくなりますね。

ー息子さんたちの成長が楽しみですね。
そうですね。自分でお店を始めたことで、子どもたちの成長にもさらに寄り添える様になったように感じます。「子どものマラソン大会があるから、営業時間を変更します」とSNSで告知しても好意的な反応をもらえるので、嬉しいです。

ーこれからチャレンジしてみたいことはありますか?
妻が美容師なので、美容室とベトナム料理を出せるカフェを併設したお店を出すのもいいなと思っています。そうすれば、家族が一緒にいられる時間がもっと増えると思うんです。長男も最近料理に興味が出てきたので、何か一緒にできたらいいですよね。

ーありがとうございました!

バインミーグエン 店主
グエン・フィ・フンさん

instagram:@banhminguyensapporo