―これまで転勤が多かったそうですね。
夫が転勤族だったので、結婚してからはいろいろな土地で暮らしてきました。結婚したのは32歳のころ。それまではずっと働いていたのですが、転勤をきっかけに仕事を辞めて、釧路での生活が始まりました。最初のうちは、社会との接点がほとんどなくなってしまったことがツラくて。友達もいないし、子どももいない。どこにも所属していない感覚があって、気持ちが沈みがちになりました。
ー環境がガラリと変わったんですね。
そうですね。ずっと働いて、人と関わりながら生きてきたので、それがなくなった時、「自分って何なんだろう」と思ってしまって。「定年退職したおじさん」みたいに、自分の価値が見えなくなる感覚がありました(苦笑)。もともと趣味だった山登りに没頭し始めたのもこのころ。毎週のように夫と二人で北海道の山を歩いたり、時には海外の山に行ったり。とにかく何かしていないと、自分が空っぽになってしまいそうで。