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○○ママの好きなこと・大切なこと 奮闘するシンママ達にエールを!主婦からマンガ家に転身したママ|餅本もよさん

2025年1月14日 公開

マンガ家 餅本もよさん

「再婚なんて」と育児と仕事に奮闘していたシンママの主人公が、突然出会った年下のイケメン男子に惹かれ、心が癒やされていくーー。そんなストーリーで人気を博しているマンガ「子連れバツイチ、最後の恋は沼でした。」(通称「バツ沼」、マンガ配信サービス「GANMA!」にて連載中)。今回取材したのは本作の作者であり、2児のママの餅本もよさんです。これまでプライベートを明かしていなかったという餅本さんに、マンガ家となったきっかけや、ご自身の創作についてのお話を伺いました。

Contents

1.主婦からマンガ家に華麗なる転身!
2.子どもたちが起きる前の「朝活」
3.ストーリーの元は、かつての取材経験
4.ママが自分らしく生きられるように

主婦からマンガ家に華麗なる転身!

ー「バツ沼」は連載をしている「GANMA!」で常に人気ランキング上位、8月には単行本化もされたそうですね
ありがたいことに、デビュー作で単行本化させて頂けました!

ー作品と同じく、ご自身も子育て中ですね
私自身は離婚経験がありませんが、10歳の長男、4歳の次男の育児真っ只中です。

ー実はマンガ家になられたのはご出産後からだとか
もともとマンガは好きで、小中学校の頃から4コマを描いたり、大学生の頃にもイラストを描いていたりはしていたんですけど「絵を仕事に」なんて全く考えていなくて。大学を出た後は塾講師や古着屋さんの店長として働いていたんです。結婚して長男の妊娠・出産を機に退職してからは、専業主婦として育児に専念していました。

ーマンガを描き始めたきっかけは何だったんですか?
長男が2歳ぐらいになって、少し落ち着いてきた時だったかなぁ。育児ばかりだとふさぎ込んじゃうなぁって感じて、子育てをしながら働ける道を模索しようと、起業ママ向けのイベントに出席してみたんです。で、お話されている内容を4コマにまとめていたら、隣にいた方がノートを覗き込んで「それ仕事になりますよ!」って(笑)。それをきっかけに、企業の方から4コマのご依頼を頂けるようになりました。

子どもたちが起きる前の「朝活」

▲絵は全て独学なのだそう。筋肉や服など細部にこだわり、現在でも練習を重ねているそうです。

ー4コマはどんなお仕事を?
主に働く女性たちに取材をして、それぞれのストーリーを4コマにするという内容でした。これがご好評いただいて、さまざまな企業からご依頼をいただくようになって、ほぼ毎日…年間200本以上は描いてましたかねぇ。広告関係の方を通じて学校案内やWebに載せるイラストやマンガのお仕事もいただいていました。

ーでも、この頃は現在のタッチではなかったとか?
元々は吉田戦車さんのマンガや、「たまごっち」のようなゆるいキャラクターが好きで、私の絵も今のようなタッチではなかったんです。

ーどうして現在のようなタッチに?
2019年でしたかね、元号が「令和」に決まったという会見をテレビで見ててふと「美少年っぽい名前だな」って思ったんです。それですぐ「イケメン 描き方」と検索して(笑)。毎日練習をして、元号を擬人化した4コマシリーズを描いてネットで公開していきました。

ー意外なきっかけ(笑)
Xに投稿して1年ぐらいが経ったころに、編集者さんから「4コマではなく、ストーリーマンガを描いてみませんか?」と連絡がきたんですよね。実際に打ち合わせをしてからはトントン拍子で話が進んでいって…。自分の育児経験と「残念な男性キャラが好き」というアイデアから誕生したのが「バツ沼」です。

ーそれにしても、育児にもお忙しい中で…
夫や子どもが起きる前、4時ぐらいから練習や作品づくりをしていました。1日に大体3時間ぐらい…そのうち練習が1時間ぐらいでしたかね。育児ばかりだと疲れてしまうので、いい息抜きになったと思います。

▲ご自身の育児をネタにした4コマ。ゆるやかなタッチで描かれています(ご提供画像)

ストーリーの元は、かつての取材経験

▲「子連れバツイチ、最後の恋は沼でした。」より(ご提供画像)(C)餅本もよ/COMICSMART INC.

ー連載中の「バツ沼」にはご自身の経験も反映されていますよね?
私自身の経験もありますが、4コマを描いていた時の経験も生きていると感じます。子育てしながら仕事に奮闘する方はもちろん、シングルマザーの方、病気を抱えてしまった方、困難を乗り越えて社長になった方…、皆さん苦労を感じさせないぐらい素敵な方で、私自身勇気をもらえました。

ーシンママのお話がとてもリアルでした
取材でシンママのお話を聞く機会が何度もあって、いつも「一人で子育ては大変だ」って考えていました。私は昔から体が弱くて、外で貧血で倒れたり、家の中で倒れたりした経験があったんですよね。運良く夫が助けてくれましたけど、「もしも一人だったら、子どもはどうなってしまうんだろう」って。それが「バツ沼」の1話の元になっています。

ママが自分らしく生きられるように

▲PRマンガに比べ、ストーリーマンガの自由度の高さに悩むことも多いという餅本さん。「お客様がいる以上、自分が描きたいだけでは成り立たないので、常に読者の姿を想像しています」

ーご自身が子育てで苦労した経験は?
「向いてないなぁ」なんて思う時はあるんですけど、周囲に恵まれているおかげでなんとかやっているつもりです(笑)

ー作品にはママに向けた応援も込められていますよね
私が伝えたいのは「ママは幸せであれ」というメッセージです。シングルマザーの恋愛って、大っぴらに言えない雰囲気がありますけど、ママだからって女性として生きてはダメ、なんてことはないじゃないですか。子どもの幸せと自分の幸せ、どちらも叶えた姿を描きたいなと思っています。

ー素敵なお話ですね
とはいえ当初は掲載後どうなるかな、と内心ヒヤヒヤしていました(笑)。シンママがクズイケメンに出会って恋に落ちる…なんて、正直「子育てに専念しろ!」なんて言われかねない、ちょっと炎上しやすそうなテーマじゃないですか。私のメッセージが伝わっていたようで、安心しています。

ー「しゅふきたママLife」読者に向けてもメッセージをお願いします
これから復職する方、パートをはじめようと思う方でしたら、とにかく自分が楽しく働ける場と出会えることを祈っております。子どもは楽しく働くママの姿を見て育つと思うし、将来楽しい仕事を選べることにも繋がるかもしれません。

ー餅本さんは楽しく働かれてますもんね
確かに“仕事”という感覚が少ない働き方だと思います。これからも、少しでも好きなことを楽しみながら生きていきたいです。

ーありがとうございます!

▲今後は脚本や絵コンテなど、さまざまなことにも挑戦してみたいという餅本さん。「マンガって1人で映画をつくるようなもので、脚本も人物も全て自分で用意しなきゃいけなくて。勉強したことを活用したいなと思うと、色々と夢が広がりますよね」

マンガ家 餅本もよさん

餅本もよさん 公式X:https://x.com/reiwa_kaigen
「GANMA!」(https://share.ganma.jp/magazines/kozurenuma